ウーバーイーツの配達員でもある青柳拓さんが自らの働く様子を撮影し、監督として制作した「東京自転車節」が2021/7/10から公開されています。
リサーチしたところ、今までにウーバー配達員を元にした映画はありませんでした。このような新しい視点を持つ青柳拓監督とは一体どんな方なのでしょうか?
今回は東京自転車節の監督 青柳拓さんの経歴やどのような人物なのかをまとめたのでご紹介していきます。
東京自転車節の監督 青柳拓の経歴
青柳拓の経歴:監督になるまで
1993年、山梨県市川三郷町生まれ。日本映画大学に進学後、卒業制作として『ひいくんのあるく町』を監督し2017年全国劇場公開。岩淵弘樹監督作品『IDOL-あゝ無情-』の撮影クルーとして参加。大崎章監督、七里圭監督の下で現場経験を積む。アーティストグループ「ヒスロム」の仙台、ポーランドの展覧会に参加。2020年短編『井戸ヲ、ホル。』を監督。2021年1月、美術手帖の特集「ニューカマー・アーティスト100」に2020年代を切り開くニューカマー・アーティストの一人として選出される。
『東京自転車節』公式ホームページ http://tokyo-jitensya-bushi.com/
まさかの1993年生まれの28歳(2021/7/11)でした。若手の映画監督のようです。
調べてみたところ、映画監督になるためには特別な資格は必要ないみたいです。映画製作会社に入り、制作スタッフや助監督として経験を積んで監督になるというパターンが多いみたです。
青柳拓さんも岩淵弘樹監督作品『IDOL-あゝ無情-』の撮影クルーとして参加して経験を積んでいます。やはり、有名な監督の元で経験を積むのが一番の近道なのでしょう。
そして今回は自らの自主制作映画を公開しています。自主制作映画は若手監督にとっての登龍門であり、業界人の多くは注目を寄せるほど評価を受けるために重要な材料になるみたいです。自らの経験を描いた東京自転車節によって青柳監督が名を馳せる可能性が十分あり得ます。
青柳拓の経歴:大崎章監督、七里圭監督下で積んだ経験
青柳拓さんは大崎章監督、七里圭監督の下で経験を積んだみたいですが、この2人からどのよな影響を受けたのでしょうか。
大崎章監督はドキュメンタリー番組やCMなどの制作に関わったり、第37回ヨコハマ映画祭において、主演男優賞、助演男優賞、助演女優賞、脚本賞の4冠を受賞している方です。
七里圭監督は商業映画を監督する一方で、自主制作映画「眠り姫」を制作したり、TBSの番組「THE 世界遺産」の構成作家を務めるなど様々なところで活躍されています。
このようなお二人の下で積んだ経験がドキュメンタリー系の作品、自主制作映画への意欲を搔き立てたのではないでしょうか。まさに「東京自転車節」は自らの経験を元にしたドキュメンタリー系の自主制作映画だと言えます。
青柳拓の経歴:ニューカマー・アーティストに選出
近代美術を中心に紹介する美術誌「美術手帖」で「2020年代を切り開く ニューカマー・アーティスト100」の一人として選出されています。
無名に近い若手作家や、活躍中の作家など幅広い年齢層の中から選抜されているみたいで、新人アーティストの新たな表現方法や価値観が今の世の中に多くのヒントを与えてくれるのでは?という意図のもと選出しているみたいです。
28歳の若さでウーバーイーツの店員という独自の視点から映画を制作する青柳拓さんが選ばれるのは不思議なことではないですね。
青柳拓さんが映画の中で描写される表現方法や価値観は何かしらのヒントを与えてくれるのではないでしょうか。
東京自転車節で青柳拓監督が伝えたいことは?
ドキュメンタリー映画『東京自転車節』は2020年4月〜6月までのコロナ禍の東京を、ウーバー配達員となった監督である自分の視点で見つめたセルフドキュメンタリーです。誰もが当事者であるコロナ禍という大きな題材を、個人の主観という小さな視点を突き詰めた映画です。pic.twitter.com/wrHFj7eZGp
— 青柳 拓 @ 映画 東京自転車節 監督 (@otogisyrupz) May 26, 2021
ソーシャルディスタンスなどの言葉が流行り、人との人の接触や関わり合いが希薄かしているこの社会ですが、
その中で、ウーバーイーツという便利なシステム(外出せずにお店の料理が食べられる)が生まれました。
青柳拓監督が最も伝えたいのは労働者たちが汗を流して配達しているのにも関わらず、それはシステムの一部としか捉えられていないこと、
それを自分たちはもう少し自覚する必要があって、自覚したうえで次はどうするかを考えるのが重要だということです。
自らにカメラを向けドキュメンタリーにすることで配達の中で感じた気持ちが素直に表情に現れたり、配達先の方の顔は映らなくても、声でその様子を想像したりすることが出来る映画になっていると本人はおっしゃっています。ウーバーイーツという一つのシステムの中から垣間見える現代社会の問題について考えながらこの映画を見るとより楽しめるのではないでしょうか。
東京自転車節の評価
「東京自転車節」おもしろかった!毎日見かけるウーバーイーツ、の側からコロナ禍の日常を撮り続けた作品、延々と続くチャリ走行は飽きないし、昨年6月の「コロナ終息」というニュースを見上げる瞬間など何とも言えないシーンの連続で、快。
— 玉置 周啓 (@tamaokisshukei) July 16, 2021
すごい傑作。最後まで食い入るように観た。疫病と格差とギグワークの21世紀の現在を声高に言うのでなく、ユーモアを交えてここまでリアルかつ情感たっぷりに描いた作品は類を見ない。デリヘル呼ぶシーンは泣いた…。多くの人が共感するのでは。公開中。/『東京自転車節』 https://t.co/kslhO9AGir pic.twitter.com/W3aEbhIt8O
— 佐々木俊尚 (@sasakitoshinao) July 16, 2021
いまを描くと、暗くなってしまいがちだが、監督の人柄からか、つい笑ってしまうシーンがいくつか。どんな状況でも、人は笑い稼ぎ人肌を求める。いまを見つめた、大傑作です! https://t.co/bLnVneB5Qf
— 西村大樹(武井紗良ちゃん神推し!) (@taiki_nishimura) July 16, 2021
twitter内での評価はご覧の通り、とても高いものとなっています。青柳監督の人柄が視聴者の方に良い印象を与えて、映画自体の評価をさらに上げてくれているようです。
2021/7/16時点で公開されているのはポレポレ東中野という映画館となっています。
全国順次公開となっていますが、具体的な日付は決まっていないようです。少しでも早く青柳監督の「東京自転車節」を映画館で見てみたいですね。
まとめ
東京自転車節の監督 青柳拓の経歴は
1993年生まれの28歳で若手の映画監督
日本映画大学卒業
デビュー作として「ひいくんのあるく町」を監督
岩淵弘樹監督作品『IDOL-あゝ無情-』の撮影クルーとして参加して経験を積む
ニューカマー・アーティストに選出される
現在は
若手監督の登竜門として自主制作映画に挑戦しており、「東京自転車節」を制作して公開されています。
ニューカマーアーティストに選出される期待の若手監督が描く「東京自転車節」が社会にどのようなヒントを与えてくれるのか楽しみですね。
最後まで読んで頂きありがとうございました。